ケロまさるの写真ノート

写真とカメラのブログです。色々な写真を掲載します!

canon P + industar-22

キヤノン、これは誤字ではなく、ヤは大きいヤなのです。ちなみに富士フイルムのイも大きい。
Canon Pが世に出たのは、1959年。
キヤノンが「フレックス」を発売し、日本工学工業(Nikon)がニコンFを発売した年であり、
キューバ革命が起き、「バービー人形」の発売開始などがあったこの年の3月、
Canon Pは発売されました。

Populaireの名に恥じない使いやすさ

Pと名についたカメラには、Leica MPなどProfessionalの"P"を冠したカメラを思い浮かべます。
このCanon Pの"P"は、「庶民的な」という真逆の意味を持つフランス語が付けられています。

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Canon Pにロシアレンズを装着

CanonのHPに記載された説明によると、ファインダーの構造を変えて製造コストを落とし、
35mmから100mmのレンズを使用する層をターゲットにして企画されたカメラのようです。
このコストダウンと、機能性は当時評価を得たとのことです。
とにかくL39マウントのレンジファインダーが欲しいと考えていた自分でしたが、
ファインダーが2つあるバルナックライカなどには少し抵抗があったため、
Canon Pに手を伸ばしました。
レバーでフィルムが送れるというのもかなりうれしいポイントでした。

等倍のファインダー

ファインダーには、広角(35)、標準(50)、望遠(100)の画角を示すフレームが常に表示されている状態です。
広角側のレンズを使用することが想定されているファインダーの場合、
ファインダーは0.72倍などに設定されています(Leica M2など)が、
Canon Pの場合、ほぼ等倍となっています。

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Canon Pファインダー

 

ファインダーが等倍に近いことで、ファインダーをのぞいていない方の目を開けても、
視野に大きな差が生まれないので、両目で被写体を追いかけることができます。
動物や街中で写真を撮る場合、被写体が写っていること、風景の中に写したくないものが写っていないことを確認するためにも自分は両目で確認することが多いので、
この視差が生じないファインダーは非常に重宝しています。

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ファインダーを覗くと35, 50, 100mmのブライトフレームが見える

Industar-22を装着

L39マウントというと、ライカが開発したスクリューマウントでコピーライカと言われる製品などを含め多くのクラシックカメラで採用されたマウントです。
そのため、多くの会社からレンズが発表されており、中古のレンズについても玉数は多いです。
ただし、どうしても古いレンズになってしまうため、中古によっては状態も悪いことも…
最初に手に入れるL39レンズかつCanon Pの状態もわからなかったので、1万円以下のレンズを探したところ、
Industar-22というロシアレンズにたどり着きました。

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Industar-22とCanon Pに装着した写真

Industar-22は、50mm F3.5のレンズで、決して明るいレンズとは言えませんが、
そもそもレンジファインダーのカメラは寄ってボケを楽しむようなカメラではなく、
自分の使用方法としても風景がメインのため、このレンズで撮ることにしました。

KODAK GOLD 200を詰めて撮影(作例)

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Canon P + Industar 22 ( f4, 1/60 )

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Canon P + Industar 22 (f8, 1/500)

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Canon P + Industar 22 (f4, 1/30)

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Canon P + Industar 22 (f16, 1/1000)

まとめ:美しく使いやすいL39マウント、canon P

36枚撮りのフィルムを一本消費しただけですが、どこにでも持ち運びたくなるような気持ちにさせてくれるカメラでした。レンジファインダーというだけあってか、ピント合わせもしやすく、思った通りのところにピントが来るような印象があります。
縦構図になると突然ピントが来ない写真が増えてしまいましたが、自分の技術が未熟なためだと思います。

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ピントが全く外れてしまった例もありますが…撮影者の技術不足です。

Industar-22についても、かなり安価なレンズでしたが思った以上に「普通」に写っていました。沈胴式にこだわったためこの選択肢でしたが、悪くなかったと思います。
重さはそこそこありますが、一眼レフほど重くなく、大きさもかなりコンパクトなのでまとまった組み合わせだと感じます。