ケロまさるの写真ノート

写真とカメラのブログです。色々な写真を掲載します!

赤外線写真( 720nm )を撮りたい

『赤外線写真』ってご存知でしょうか?
Wikipediaに書かれている情報を鵜呑みにすれば 700 nm から 900 nm の波長の光を撮影した写真という感じでしょうか。
赤外写真は大体においては白黒写真なのですが、デジタルで撮って画像編集(カラースワッピングと言ったりします)すると、上手くいけばコントラストが高くて木々が白く写った写真が撮れます。
今回は、ZOMEi の 52 mm 径 IR フィルター ( 720 nm )を使用しました。
原理については、先に紹介したwikiの記事を参考にしてください。
カラースワッピングの方法は、こちらの記事を参考にすすめていきました。

 

 

結論から言って…

「よくわからんけど、まぁできてるのかな?」という感じ。

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FUJIFILM X-T4 + Touit 1.8/32 + ZOMEi IR 720 (WBを2500 Kに設定)
f/4 1/1.3s ISO 160 32.00 mm (35mm 換算 48 mm)

キャプションにある設定で撮影して、それを画像編集ソフトでホワイトバランスの自動調整後、色をイジってカラースワップ効果というか、木々が白くなるスノー効果を狙った調整をしていきました。
赤外光がレンズで反射したためか、画像向かって左側と中心に赤色が残ってしまいました。
これは、色の調整をして平均化してやれば上手く隠せるとは思います。
「赤外フィルターを通すとピントが甘くなる」ということを後から知ったので、次はもっと絞ります。

 

 ZOMEi IR 720 nmは『赤いNDフィルター』なのか?

可視光の少しと赤外光を通すフィルターのため、減光して赤くなる印象です。
フィルターをかけて編集しないままだと、下のような写真が撮れます。

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FUJIFILM X-T4 + Touit 1.8/32 + ZOMEi IR 720 (WBを2500 Kに設定)
f/4 1/1.3s ISO 160 32.00 mm (35mm 換算 48 mm)


KenkoのPRO1D R72フィルターの説明
などを見るとモノクロモードを使用する旨があるので、X-T4内でACROSのフィルムシミュレーションを使い現像してみます。

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FUJIFILM X-T4 + Touit 1.8/32 + ZOMEi IR 720 (WBを2500 Kに設定)
ACROSで現像 f/4 1/1.3s ISO 160 32.00 mm (35mm 換算 48 mm)


さぁ、どうでしょうか。自分にはただの暗いモノクロ写真に見えました…
これをIRフィルターを外して撮った写真と比べて見ましょう。

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FUJIFILM X-T4 + Touit 1.8/32 (WBを2500 Kに設定)

f/4 1/1000s ISO 160 32.00 mm (35mm 換算 48 mm)


IRフィルターを外したので、光量が普通になりシャッタースピードは上げてあります。
WBを2500 Kにしているので、全体的に青みがかっています。
これをACROSで現像してみます。

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FUJIFILM X-T4 + Touit 1.8/32 (WBを2500 Kに設定)

ACROSで現像 f/4 1/1000s ISO 160 32.00 mm (35mm 換算 48 mm)

自分は、ここでやっと初めて、IRフィルターを通すと若干白くなっていることに気付けました。
気付くまでは「あーダメだ、赤外写真なんてできないんだ」と諦めていました。

 

X-T4 ACROSで現像して比較する

フィルムシミュレーションのACROSを使って、
IRフィルターを通した写真と、通していない写真を比較してみます。

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左がIRフィルターなし、右がIRフィルターあり


IRフィルターを通した場合の写真では、周辺が暗く、葉が白っぽく写っています。
ここで、現像する前の時点で既に葉は明るく写っていることに気が付きます。

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左が現像前、右がACROSで現像後


「やった!撮れていそうだ!きっと季節的に赤外光が少なくて、上手く撮れなかっただけに違いない、夏に期待だ!」と思う一方で、
「え、もしかしてこれ赤色のフィルター噛ませただ全部こうなるんじゃ?」
と不安にもなりました。
というわけで、ACROS + Rで現像して確認してみました。
本当にフィルムシミュレーション便利ですね…

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FUJIFILM X-T4 + Touit 1.8/32 (WBを2500 Kに設定)
ACROS+Rで現像 f/4 1/1000s ISO 160 32.00 mm (35mm 換算 48 mm)

 

空はかなり暗くなっていますが、葉は白くなりません。
ここまで来てやっと「おお、ZOMEi IRフィルターは安物買いの銭失いでは無さそうだ」となりました。
最後に、ACROSで現像した写真を比較用に並べておきます。

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左からACROS、 ACROS+R、IR720nm+ACROS

 

まとめ:上手くやれば赤外写真を撮れる…かも?

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左がカラースワップ、右がACROS


デジタルカメラには『赤外線カットフィルター』が入っているので「赤外写真は無理だろうな」と思っていましたが、意外にそれっぽい写真を撮ることはできました。
秋に試し撮りをしたこともあり、赤外光はあまり多くないので強烈な赤外写真を撮ることはできませんでしたが、時期が良ければもう少し違った写真が撮れるように思います。
あとは、ピントが想像以上に甘いので絞り込んで撮る必要を痛感しました。

正直、赤外写真が撮れなくとも赤色NDフィルターとして使い道がありそうな気がするので、
スローシャッター好きの自分としては、ZOMEi IR720nmは値段的にも大満足でした。